とある業界では割と有名な話。
日本には実は公用語・常用語についての法律の定めがない……んだけど
憲法や法律の正文は日本語で書かれていて,日本語以外では書かれていないわけ。
(日本国憲法の英訳はあるけど,あれは,憲法そのものではないし,解釈の基準にもならないとされている。)
そしてそのうちの裁判所法74条は
「裁判所では、日本語を用いる。」
と定めていて,裁判所では日本語が強制されているわけ。おそらくは他にこの例はないと思われ。
ところがこの話はここで終わらない。
一方で,日本国憲法98条2項が「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」しているんで,条約も守ろうとするわけだけど,市民的及び政治的権利に関する国際規約って条約の14条3項(f)で「裁判所において使用される言語を理解すること又は話すことができない場合には,無料で通訳の援助を受けること」ってなっているんで,日本で唯一(のはず)「日本語を使う」って法で定められている国家機関である裁判所が,外国人事件で通訳探しに奔走するはめになっているという状況だったりするのです。