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Masanori Ogino 𓀁

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Masanori Ogino 𓀁 Masanori Ogino 𓀁 reblogged at 4 years ago

佐々木将人 SASAKIMasatoHKD@lufimianet.jp

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210121/k10012825021000.html
なんだけど,憲法が専門で国際法にも詳しいとされた先生,正直「あんた国際法詳しくないでしょ」とは思った。
確かに国際法には,「外交的保護権の問題があるから,国籍が複数あるのは望ましくないね」という考え方はあるし,1930年に「国籍の抵触についてのある種の問題に関する条約」があった。でも,日本は当時署名はしたけど批准はいまだにされておらず,2012年現在でも締約国は20って状況。
これどういうことかというと,一方でノッテボーム事件判決で,
・国籍を誰にどのように付与するかは各国の国内事項=他国は口を出せない
・ただし,外交的保護権などの濫用防止のために,あまりにもつながりのない国籍付与で外交的保護権で介入したいだけでしょって国籍付与については,「その国籍は認められない」という形で,否定することはできるけど,その場合でも,その国が国籍を認めて国内でどうこうする分には他国は関与できない
・国籍の付与基準として,出生地を基準にしても血統を基準にしてもどちらでもいい
ってことになって以来,国籍付与はもっぱら各国の国内問題ということになって,国際法なんて気にしなくてもいいってことになった。その上,出生地主義と血統主義の双方を認めた以上,出生した時点でに無国籍(出生地主義をとる国の親から血統主義の国内で生まれた子)と二重国籍(血統主義をとる国の親から出生地主義の国内で生まれた子)の発生が必然になって,「どこの国からも保護されない子はまずい。」って方を優先して,無国籍の子をなくすためなら二重国籍はやむを得ない,というのが現在の国際法のスタンスなわけさ。
なもんで,「国際法の影響がうんぬんかんぬん」言う人が国際法に詳しいだなんてえのには猛烈に抗議しておきたい。

ちなみに(実はすぐには見つからなかったんだけど)国際法上の人権に関する条約で,国籍を持つ権利についてはあったはずなんだけど,複数の国籍を持つ権利についてはないはずなんで,この点でも「国籍を認めるかどうかはもっぱら国内問題」だと思います。