佐々木将人 SASAKIMasatoHKD@lufimianet.jp

公海の領域で海賊放送やってもつかまらないとかカジノをやっても捕まらないという話。あれは国際法の関係では，きちんと２つに分けなければならないという。
具体的には，「その船に管轄を及ぼし得る国はどこか」という問題と，公海上においてその国が権力行使できるかという問題ね。
その船に管轄を及ぼし得る国はどこかというと，これはまず真っ先に船籍国（属地主義の延長）なんだけど，一方で，その他の国も理由があれば管轄を及ぼし得るわけ。たとえば日本の刑法は，日本国民が被害者となる殺人罪については，犯人の国籍を問わず適用すると言っているんで，その限りでは管轄を及ぼし得るわけです。
「よし！管轄あるじゃん！」と言って公海上のその船に乗り込めるかというと，それはできない。それは，管轄がないからではなく，それらのルールに優先する「公海上ではどの国も主権の行使ができない」ってルールがあるから，犯人捕まえられないって話なんです。
この２つ，分けて考えないと，この船が公海ではない場所に移動した時にはまっちゃう次第。